2013-07-25

写真の勉強


ステキな本に出会いました。

先週末、那須へ行っていたのですが、そこには道楽で建てた親の家がありまして…。
有り体にいえば別荘ってやつですな。たまにスケジュールと予算が合えば使わせてもらっています。(といっても実質は数ヶ月に一回ですけどね。)
別荘と聞くと色々思われるかもしれませんが、それはさておき。

普通のお家なので、食事の支度なども全部自分たち。やることは東京にいるのと変わりませんが、やはり森の中で綺麗な空気を吸って過ごすのは格別です。
テレビは一応あるのですが、ほとんどつけません。というより、この静寂を乱すのはもったいないというような気持ちです。おまけに涼しいし、よく眠れます…。

大抵那須に滞在するときには、室内では特にやることもないので本を買って行くことにしています。いつもは那須へ到着してから市街で調達するのですが、今回は東北への玄関口である上野駅の本屋へ。

簡単お気楽に読める雑誌が定番なのですが、どうも写真の本が今の気分ということでそれ関係のコーナーを物色。駅の本屋さんですからね、それほどのラインナップではなかったのですが、そろそろ電車の時間もあるし決めなきゃなぁと思い最後に手に取って、何だか電気が走ってレジに持っていったのがこれでした。

『フォトクリエイティブテクニック』 デイビッド ドゥチェミン 著

値段をみてちょっと高いなぁと思いましたが、いいものは高いですし、もう出発しなくてはならなかったので即決。(BOOK OFFとかで上手く見つけられれば安いのでしょうね…!)

訳が微妙に「訳した」日本語(上手く表現できないのですが、言い回しとかが英語臭い日本語なのです)なのですが、内容は分かります。
いわゆる絞りやシャッタースピードとはといったことにはほぼ触れていなくて、もう一歩先をいっているような、作品を撮るための写真テクニックや写真の見方を解説しています。
例えば、フレーミングをどうするとこうなるとか、線を意識するとか、奥行きを感じさせるにはどうするとか、それらがきちんと理論的に示されているのです。専門学校なんかいけば教えてくれるんでしょうけど…そういう部分をきちんと勉強していないわたしにとっては眼から鱗ものです。

あと、そういったテクニックだけでなく、ビジョンが大事と。何を伝えたいのかとか伝えるにはどうしたら良いのかとか思想的なことも書いてあって。なかなかこういう本はないように思います。
作例も、いかにもな作例ではなくとても素敵な写真(もう作品といっても良いもの)ばかり。デジタルで彩度、コントラストが結構ぱっきりした写真なので、好みでいったら分かれるかも知れませんが、でも勉強になります。本当に専門教科書的な一冊です。

しかも、美的感覚ゼロの夫が(もちろん写真の知識もゼロ、だと思う)ぱらぱらと盗み読みして「面白いね、後でまた読ませて。」と言っていたので、普通に読み物として分かりやすいのだと思います。理系の夫にとっては、訳の分からない芸術を理論的に分析しているところがツボだったのでしょう。もしかしたら、夫のような人がこれを読んで写真を撮ってみたら、その方がよっぽどいい作品ができるのかもしれません。

しかし、実はまだわたしも半分くらいまでしか読んでいないのです。すいすいと軽く読んでしまうのはもったいない内容ですし、じっくり考えながら読み進めたいと思っているので…。この夏はこの一冊とじっくり向き合って、写真展に行って写真の見方を実践して、新入りのローライフレックスもマスターして…なんて考えております。

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